身体拘束ZEROマニュアル身体拘束の定義 身体拘束とは、ご利用者の意思に反し、以下のような形態を用いて行動を制限する行為をいう。 身体拘束となる具体的な行為 車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢をひもやベルトで固定する。 車椅子テーブルや立ち上がり困難な椅子を使用する。 ベッドを4本柵(片側壁も同様)等で囲む。 ミトン型の手袋等をつける。 つなぎ服等を着せる。 向精神薬等を過剰に服用させる。 鍵がかかる居室等に隔離する。 指示・命令など威圧的な言動、対応をする。 要望に対し、無視、無関心、支援拒否等をする。 身体拘束の弊害の理解 人格の破壊 廃用性の進行と褥創発生 食欲、心肺機能、抵抗力の低下 認知症の進行 スタッフのレベル低下 ことぶきの理念 ことぶきは、ご利用者の尊厳を守るために身体拘束ゼロを実施します。 ことぶきの取り組み 身体拘束ゼロに関する検討会を毎月行う。 内部研修を年2回以上実施する。 外部研修へ積極的に参加する。 利用時にご家族に対し施設方針を説明し、理解を得る。 緊急やむを得ない場合とは 緊急やむを得ない身体拘束を行う場合は、次の3つの要件をすべて満たしているかどうか、厳密に検討しなければならない。 切迫性…ご利用者本人又は他のご利用者等の生命又は身体が危険にさらされる危険性が著しく高い。 非代替性…身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する看護・介護方法がない。 一時性…身体拘束その他の行動制限が一時的であり、最小限度のものである。 緊急やむを得ない身体拘束を行う場合の手続き 緊急やむを得ない身体拘束を行う必要性が高い場合は、単独で判断せずに次の手続きにより行うものとする。 介護士(看護師)が身体拘束を要すると判断せざるを得ない事例が発生した場合、まず上記3要件それぞれについて照合し、すべて満たしていると判断した場合は、介護主任(副主任)に相談する。 介護主任(副主任)は、看護師長、生活相談員等と協議し要件を再確認する。夜間の場合は、他の夜勤者と相談の上生活相談員又は看護師長に連絡し判断を仰ぐ。 上記で必要性が高いと判断した場合、生活相談員(看護師長)は施設長の決裁を受けた後に、ご家族に連絡し経過説明の上同意を得る。その際ご家族には直近で都合の良い日に来所の上、改めて同意書に署名捺印をお願いする旨伝える。 ※で3要件を充足していないと判断した場合、又はご家族が身体拘束に同意しなかった場合は、現場職員に代替案等適切な指示を行う。 ※については、深夜等発生時間によって事後になることも考えられるが、その場合は翌日連絡可能な時間帯に早急に行うこと。 身体拘束の実施にあたっては、その内容について経過観察記録に記録し、保管するものとする。 身体拘束の解除にあっては、早番職員の出勤等、要件が解消された時点で速やかに行わなければならない。